「Mozc UT2をインストールする - Ubuntu 20.04編」というページで公開されているUbuntu用のMozc UT2のパッケージがあります。
Ubuntu 20.10では以下の不具合によりそのままではパッケージを作れません。
ここでリンクされている以下のパッチを見てみました。
これをもとに、Mozc UT2 for Ubuntuのソースに当てるパッチを作りました。こちらです。
mozc-2.23.2815.102-protobuf_generated_classes_no_inheritance.patch · GitHub
さて、念のため私の環境でパッケージを作ったときのコマンドなどを書いておきます。なお、英語環境ですので、フォルダ名は英語になります。
まずは、ソースをダウンロードします。
のtar.xzファイルをダウンロードします。
私はブラウザでリンクをクリックしてDownloadsフォルダにダウンロードしました。
次にターミナル(terminal)を起動して、Downloadsフォルダに移動してファイルを展開します。
cd Downloads tar xavf ./mozc-2.23.2815.102+dfsg_ut2-20171008d+20200423focal.tar.xz && cd mozc-*/
これでパッケージを作るフォルダに移動できました。私の場合、試行錯誤をする関係で「build_mozc_plus_utdict」の中のパッケージ作成後mutフォルダを削除する処理を削っています。一応、使ったファイルをgistに上げておきます。
build_mozc_plus_utdict · GitHub
今回のソースに当てるパッチをダウンロードします。
wget https://gist.githubusercontent.com/kaias1jp/daca2870921a71a14227d186b0262e5d/raw/bf2f4ec8271c7aa933315d3dcb8999d0dcd9b79a/mozc-2.23.2815.102-protobuf_generated_classes_no_inheritance.patch
これで「mozc-2.23.2815.102-protobuf_generated_classes_no_inheritance.patch」というファイルが保存されると思います。このファイルを使ってパッチを当てます。
patch -p0 < mozc-2.23.2815.102-protobuf_generated_classes_no_inheritance.patch
特にエラーにならないはずです。パッチ当てが終了したらパッケージ作成作業を始めますが、私は「mozcのデフォルトをひらがな入力モードにする」の記事を参考にソースに手を入れています。
vi mut/src/unix/ibus/property_handler.cc
でviエディタにて該当ファイルを開いて「kActivatedOnLaunch = false;」の行を「kActivatedOnLaunch = true;」に変更して保存しました。
次に、Mozc UT2パッケージ作成に必要なパッケージ類をインストールします。
sudo apt update && sudo apt upgrade -y && sudo apt install -y devscripts debhelper libibus-1.0-dev pkg-config libxcb-xfixes0-dev libgtk2.0-dev python3-dev gyp protobuf-compiler libprotobuf-dev qtbase5-dev libqwt-qt5-dev libgwengui-qt5-dev libuim-dev libzinnia-dev fcitx-libs-dev gettext desktop-file-utils ninja-build
あとは「build_mozc_plus_utdict」ファイルを実行して各パッケージを作成します。
./build_mozc_plus_utdict
うまくいけば、ファイル実行終了後のフォルダにdebファイルがいくつかできているはずです。今回は以下のコマンドは実行していませんが、不要なパッケージを削除する場合は、Mozc UT2をインストールする前に実行しておいたら良いと思います。
tail -n 5 /var/log/apt/history.log | grep Install: | sed -e s/"Install: "// | sed -e s/", automatic"//g | sed -e s/"), "/"\n"/g | sed -e s/" (.*$"/""/g | tr '\n' ' ' | xargs sudo apt-get remove -y
今回は新規インストールしたUbuntu20.10を対象としていますので、以下のコマンドを実行します。
sudo apt install -y mozc-utils-gui sudo dpkg -i ./mozc-data_*.deb ./mozc-server_*.deb ./mozc-utils-gui_*.deb ./ibus-mozc_*.deb
これでMozc UT2がインストールされます。Ubuntuを再起動して、Settingsの「Region & Language」を開いて「Input Sources」の「+」をクリックすると、「Add an Input Source」というダイアログが出ますので「Japanese」を選択してください。
「Japanese (Mozc)」をクリックすると右上の「Add」が押せるようになるので押してください。
そうすると「Japanese (Mozc)」が追加されます。
あとは、「Manage Installed Languages」ボタンをクリックすると不足しているフォントとかをインストールするか聞かれるのでインストールを選択すると終わりです。
私の環境では「Windowsキー+Spaceキー」で日本語入力と英語が切り替わりました。
googleとかできちんと検索していないのでもしかしたらUbuntu20.10対応版とかあるかもしれませんが、上記の方法で私は使えています。